
- 航空祭の裏側
- 航空祭の日、戦闘機パイロットはどんな1日を過ごしているのか
- 当日飛行する航空機の確認
- 航空祭で一緒に飛ぶパイロットとブリーフィング
- 交代で航空機説明
- 展示飛行
- 終了後の基地内の掃除
航空祭の当日は、めちゃくちゃ朝が早いです。
大体、朝4時位には起きて出勤。
整備員の方は、もっと早く出勤して、飛行機の準備をしてくださっています。
そんな朝早く出勤していますが、すでに基地の正門で、入場のためにすごい人数の方が並んでいらっしゃいます。
整備員の飛行機の点検が終了すると、我々パイロットはその日アサイン(指定)された飛行機に向かいエンジンをかけて点検します。
- エンジン系統
- 操縦系統
- コンピューター
- 油圧系統
点検する項目は非常に多いですが、整備員と協力し実施しています。
皆さんが、航空祭で見る並んでいる飛行機は、全て朝エンジンをかけて状態を確認している機体となっています。
実は、パイロットは自分の乗る飛行機が決まっていません。
コクピットの近くに名前が書いてあるのを見たことありますか?
あれは、パイロットの名前でなく整備員の名前なんです。
整備員は、自分の飛行機を持っていて、本当に大事に整備してくださっています。
ということで、パイロットは毎日違う機体で訓練等を実施しています。
朝の飛行機の確認が終わると、それぞれ待機室に戻ってきます。
待機室では、全員が揃ったところで以下のようなことを実施します。
- 1日の流れの確認
- 天候の確認(ウェザーブリーフィング)
- 飛行機の状態の確認
- ホストとしての確認(救護センターの場所等の確認)
当然、飛行に関するブリーフィングは実施します。
加えて、救護センターの場所や、トイレの場所等の確認、来場された方に楽しんで頂けるために必要な確認も実施しています。
その後、各編隊毎のブリーフィングに移ります。
- 何時に飛行機に向かうか
- 何時に、どの順番で離陸するか
- どのような機動をするのか
その他、不測事態対処には特に力を入れてブリーフィングしています。
起こる可能性のあることを全てブリーフィングすることが大事です。
- 仲間の機体が見えなくなったらどう対処するか
- 仲間と無線が通じなくなったら?
不測事態を予測事態に変えておくこと
戦闘機パイロットはいつもこの気持ちを忘れずフライトしています。
パイロットは、飛行展示するだけでなく、格納庫に駐機してある航空機の説明も担当しています。
来場された方からの質問は非常に嬉しいことなので、聞きたいことは積極的に質問してくださいね。
- トイレに行きたくなったらどうするの?
- 一人で乗って寂しくないですか?
- どんくらい早く飛べるんですか?

パイロットのメインの担当は展示飛行になります。
大体40〜45分前くらいに着替えて飛行隊を出発します。
パイロットは、
- ヘルメット
- ハーネス
- G-スーツ
の3点セットを持って飛行機に向かいます。
ハーネス
もしも機体から脱出した際に、パラシュートと体を結ぶものになります。
その他、海み落ちた際に使える救命ボートなんかも付けたりします。
これらは、飛行機の中にすでに搭載されているので、飛行機に乗り込んだ後に、ハーネスに付けるようになっています。
Gースーツ
ズボンみたいに下半身に装着するものです。
戦闘機には、最大約9Gという重力がかかります。
頭の血が下がって失神してしまうのを防ぐために、下半身に血が下がらないようにするためのものです。
機動するときにかかるGに応じて、G-スーツが膨らみ下半身を圧迫するようになっています。
1日航空祭を行うと、どうしてもたくさんのゴミが基地内に散らばっています。
ストローのビニール、爪楊枝等わざと捨てたものではないのがほとんどです。
掃除をする理由は大きく2つ
- 基地をキレイに保つ
- 次の日、訓練する時に飛行機のエンジンに吸い込まれる可能性のあるゴミを除去する。
①は当然ですが、特に滑走路や、エプロン地区は念入りに掃除をします。
次の日に、航空機がエンジンをかけて、ゴミを吸い込んでしまったら大変ですからね。
たまに、離陸中の飛行機が鳥を吸い込んでエンジントラブルになるってニュースになったりすると思うんですが、それと同じですね。
飛行機のエンジンは、吸い込む力が非常に強いので、ちょっとした石なんかも吸い込んだりします。
実は、航空祭だけでなく、自衛隊の飛行場は、少なくとも毎週1回、滑走路に自衛隊員が一列に並んで、歩きながら滑走路のゴミを掃除したりしているんですよ。
いかがでしたか?
今回は、航空祭のウラ側と題して、実際どんな事をしているのか?
というのを旦那の協力のもと、ざっくり説明してみました。
パイロットは飛行機に乗っているだけかと思いましたが、それ以外もやっているのを私も始めて知りました。
また、戦闘機パイロットのウラ側を、お話できる範囲で投稿していけたらなと思います。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
以上、とっとっとでした。

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