とっとっとです。
今回も、引き続き現役戦闘機パイロットへの疑問・質問コーナーを開始しま〜す。
エルロンロールはどうやってやるの?
エルロンロールはどうやってやるの?
○エルロンロールとは?
では、航空機に応じて少し詳しくエルロンロールをみていきましょう!
○普通の航空機
普通の航空機は、航空機の重心を中心に姿勢変化をします。
エルロンや、エレベータ等の航空機の姿勢を変化させる装置は機軸を中心に航空機の姿勢を変化させようとします。
航空機の進行方向、航空機の機軸線がずれていること等により、これらエルロンで発生させられる航空機の回転は複雑な動きとなって現れます。
でも、安心してください。
パイロットはこんな難しいことを考える必要はありません。
でも、大丈夫!パイロットはこんなこと考えずにクルッと回るように操縦しているだけだよ。
○エルロンロールをしよう
速度は何ktから開始してもOKです。
kt(ノット)から時速への変換は、2倍して1割引くんでしたよね。
例えば、300ktは、2倍して600km。1割の60を引いて540kmでしたね。
あまり遅い速度から開始するのは避けるようにしてください。
戦闘機であれば、大体300〜400ktから開始するようにしましょう!
開始時は、機首をやや上げて(10度くらい)エルロンロールを実施します。
水平飛行から開始すると、エルロンロール終了時に機首を大きく下に下げる状態になります。
でも、ブルーインパルスとかきれいにクルッと回っているように見えるけどね〜。
影響を受ける前にエルロンロールが終了しているってわけ。
ただ、ゆっくりエルロンロールするには背面時には操縦桿を押す操作(マイナスGをかける)なんかが加わってきてめちゃ難しいよ。
戦闘機のように高速ではない低速の航空機は、開始時により機首を上げてから実施してください。
戦闘機のようなエルロンロールがめちゃくちゃ早い飛行機は、実はエルロンロール1つとっても危険があるのです。
例えば戦闘機であえて低速で飛行すると、迎角が大きくなります。
その上で高速にエルロンロールをすると、90度回った時は、先程まで迎角だったものが、そのまま横滑り角に変換されてしまいます。
あれ実は、機体が横滑りをしている状態だからあまり良くない状態なんだ。
ただ、戦闘機のように本当にロールが早い航空機は危険な状態も一瞬で抜けてしまうので大した問題にならないよ〜。
まとめると・・・。
そこそろ速度をつけて、機首を少し上げて、エルロンを使ってクルッと回る
これだけです。
○F-2やF-4のエルロンロール
これはまた独特な感じです。
これまで説明してきたようにエルロンロールは機体の軸や重心等が複雑に絡み合って運動します。
F-2は、機体の動きをコンピューターによって制御されています。
同じエルロンロールをしても、F-2は空気の流れを基準に機体を動かすような設計をしています。
おかげで、低速度でエルロンロールをしても危険ではないんですね。
低速度ではエルロンロールというよりは、ラダーロールのようにパイロットは感じるかもしれません。
細部の解説はマニアックになりすぎるので省略します。
F-4は、低速域でエルロンを使用してエルロンロールをしようとすると、アドバース・ヨーの影響により、回ろうとした方向と反対側にロールを開始します。
アドバース・ヨーの話をするとまた複雑になるので、F-4は、低速度ではエルロンを使用すると使用した反対側にロールすると覚えておいてください。
F-4は低速では、エルロンロールではなく、
上反角効果を活用したラダーによりロールをします。
低速度で迎角が大きいのを利用して、ラダーを使ってF-4を横滑りさせると上反角効果によって機体がロールする。
これは、なんて説明すればいいか難しいね〜。
上反角効果の説明も省略しておきます。
F-4の低速でのエルロンロールをざっくり説明すると、
回りたい方向のラダーを使ってクルッと回る。
注意点としては、回っている最中に迎角が小さくなるので、エレベーター(スタビレーター)を使って迎角を失速しない範囲で高く保つ必要があります。上反角効果を最大に利用するためですね。
最後に、航空自衛隊のパイロットを目指す解説記事を貼っておきます。
戦闘機の操縦面白そうだな〜と思ったらぜひ考えてみてくださいね。

以上で、今回の疑問・質問コーナーは終了します。
以上、とっとっとでした。










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