戦闘機パイロットへの質問〜その２〜

音速超えた瞬間、戦闘機機内の様子は？

音速超えた瞬間、戦闘機機内の様子は？

まずは、音速以上の速度がどうやったらでるのか？というとこですが、

よく戦闘機がエンジンから炎を出して離陸したりするところを見たりしたことがあると思います。

あれはアフターバーナーというのを使用して加速し離陸しています。

上空でも、あのアフターバーナーというのを使用しなければ音速を超えて飛行することはできません。

旦那

一部の戦闘機では、アフターバーナーというのを使用しなくても音速以上の速度が出せると言われているよ。

とっとっと

じゃあ、上空で音速以上の速度を出すには、基本はアフターバーナーを使うってことやね。

旦那

そうだね。上空で音速以上の速度で飛行するときは
、ほぼ確実にアフターバーナーを使用して飛行しているよ。

上空で、アフターバーナーを使って音速に向かってゆっくり加速していくと・・・・

音速（時速約１２００キロ）を突破した瞬間機内は・・・

何も起こりません

とっとっと

何も起こらないの？

旦那

残念ながらね〜。ただ、ちょっとした変化はあるからそれは情報としてお伝えしようかね。

音速を超えると・・・・

機内

1. 体感はなし
2. 計器（速度計、高度計等）は古い航空機はマックジャンプを起こす。
3. 特別に操縦する必要はなし。通常の飛行と変わらない。

とっとっと

操縦にも変化ないし、体感もないから気づかないってこと？

旦那

そうそう、速度計見ておかないと音速を超えたことは気づかないよ。

とっとっと

マックジャンプって？

旦那

以下、簡単に説明するね。

音速を超える時、高度計等を測定する戦闘機の機外にある計測機周りの空気の流れが音速を超え、測定が難しくなります。

昔の戦闘機（F-4）等はこの影響により、音速を超える瞬間高度計が約±3000ft（1000m）程度瞬間的に上下します。

この減少を計器のマックジャンプと呼んでいます。

とっとっと

じゃあ、この瞬間は高度計で自分が飛んでいる高度が分からないってことやね？

旦那

そういうこと。ただ、戦闘機は音速の境界線（マッハ１）付近をずっと飛んでいるわけではなくて、すぐにマッハ１．３とかになるからこの影響は一瞬だよ。

とっとっと

マッハ１付近を通過する時だけの現象だと理解しましたー。

旦那

そのとおり。マッハ１を超える時にも起こるし、マッハ１以上から減速する時も起こるよ〜。

機外

○空気が機体の先端等で圧縮されて淀んだ空気の線が見える

旦那

戦闘機の機首や、翼の前方側（前縁）で空気が圧縮されて、空気の線が見えるよ。

とっとっと

コクピットから外を見ると空気の圧縮された線が空中に見えるっていうこと？

旦那

そうそう。空気中に戦闘機から延びる淀んだ線が見えるよ〜。

とっとっと

なるほどね〜。ちなみにその音速の線に他の戦闘機が近づいてきたらどうなるの？

旦那

おっ！それはかなりマニアックな質問だよ？

音速を超えた戦闘機のそばに他の戦闘機が近づいてくると（編隊飛行等）、近づいてきた戦闘機は、音速を出している戦闘機に近づく方向に吸い寄せられる力が加わるよ。

とっとっと

お〜これはマニアックな質問だったんだね。

旦那

この現象を知っている人はなかなかいないと思うし、戦闘機パイロットでも経験している人は少ないんじゃないかな〜。
そもそも音速以上の速度で接近して編隊飛行しないからね〜。

とっとっと

おっ、じゃあ結構レベルの高い知識を今回ゲットすることができたね〜。