とっとっとです。
- 戦闘機の離着陸の流れが理解できる。
- F-15、F-2、F-35、F-4の5機種に絞った、現役戦闘機パイロットが選ぶ、離着陸難しいランキングが分かる。
まずは、戦闘機の一般的な離着陸の流れを説明するよ。
・離陸
戦闘機は、できるだけ短い滑走路を使って速やかに離陸するために、アフターバーナーを使用して離陸します。
あれが、アフターバーナーを使っている証拠だよ。
戦闘機毎、アフターバーナーを選択する操作こそ違うものの、スイッチとかがあるわけではなく、スロットルを、通常位置からさらに前方に進めることで、勝手にアフターバーナーが選択されるよ。
機種ごと離陸するちょっと前の速度に達したら、操縦桿を引いて、離陸の姿勢を確立します。
実は、ここが機種ごと難しさがあって、ランキングにかなり影響してきます。
また、離陸中は常に異常があったら離陸中止の決心、もしくは離陸の継続の決心ができるように、かなり集中力を必要とするよ。
戦闘機の離陸の映像を見てもらえると分かるように、離陸開始から約20秒程度で離陸する加速力があるから判断もものすごく早くないといけないよ。
・上昇
離陸した後は、速やかに車輪を格納したり、フラップを上げる操作を実施しています。
なので、戦闘機のパイロットは、車輪が滑走路から1mm浮いたら、車輪を上げる操作をしています。
・着陸
着陸する時には、戦闘機は車輪とフラップを降ろして着陸をします。
着陸も、機種によって速度や操作が違います。ここがまた機種ごとの大きな難しさの違いになっています。
着陸後は、機種を上げて空気抵抗で減速したり、車輪のブレーキを使ったり、パラシュートを使って減速したりしています。
詳しい説明は各機種ごとの項で。
ダントツの第1位は、現在は退役してしまった「F-4」戦闘機です。
難しい点
- 加速に応じたピッチ方向のコントロールが激ムズ
- 着陸時、ラダー操作を調和させる必要がある。
- 着陸直前の地面効果に対する対応が難しい
①加速に応じたピッチ方向のコントロール
F-4は面白い離陸の仕方があって、離陸開始する時にすでに操縦桿を後方いっぱいに引いたままにしています。
加速に伴って、勝手に機種が浮いてくるという感じです。
離陸する姿勢まで機種が上がってきたら、ちょ〜細かいコントロールによりその姿勢を保持し続けます。
また、離陸シーンを映像で見てもらえると分かるように、水平尾翼と滑走路が接触するんじゃないかって位ギリギリなんです。
なので、ほんとに細かい操作をしないと、水平尾翼と滑走路が接触してしまします。
今は、ご覧になることができませんが、F-4の離陸中、パイロットはものすごく細かい操作をしているんです。
Fー4のパイロットは大胆なイメージがありますが、繊細なコントロールをしています。
②着陸時、ラダー操作を調和させる
現代の戦闘機は、ほとんどの航空機が操縦桿だけで着陸ができます。
F-4は、操縦桿だけでなくラダーも上手く調和させて旋回しないといけないんです。
アドバース・ヨーといって、操縦桿だけで旋回させようとした方向の反対側に旋回しようとしてしまうんです。
変な感じですよね。右に旋回しようとして右に操縦桿を動かしたら左にバンクを取ってしまうんです。
今の戦闘機は、こんなことが無いように勝手にラダーも動かしてくれたりするんですけどね。
③着陸直前の地面効果に対する対応
旅客機を含め、着陸直前はこの地面効果の影響を受けるのですが、ほとんどの場合、それ程の影響はありません。
ただ、F-4は、この影響が顕著に現れます。具体的な地面効果の説明は省略しますが、F-4は着陸直前にこの影響で大きく機種を滑走路に突っ込もうとします。
頑張って、簡単に説明してきたつもりですが、どうでしょうか?
F-4の離着陸の難しさ、伝わったでしょうか?
第2位は、今でも現役バリバリ「F-15戦闘機」です。
難しい点
- 対地感覚、接地感覚
①対地感覚、接地感覚
F-15の難しい点は、この1点くらいですね。
戦闘機の中では大型になるので、着陸の際に滑走路からコクピットまでの距離が高くなります。
民間航空機は、レーダー高度計等により、滑走路から車輪までの高さを音声で教えてくれるんですよね。
あと「50ft」、あと[30ft]のような音声案内ですね。
F-15やその他戦闘機にはこの音声案内がついていないので、パイロットの感覚で着陸する必要があります。
加えて、F-15が難しいのが、接地感覚が極めて小さい。ということです。
これは、何かと言うと、いつ着陸したのか体感が少ないということです。
民間機が着陸する時は、体に着陸したのを感じますよね?
F-15は、車輪のクッションの性能が非常に良く、優しく着陸するとほとんど、いつ着陸したのかパイロットは体感がありません。
決められた位置に着陸できなければ、減速するために必要な残滑走路長も短くなるので、着陸をやり直さなければいけません
なので、体感は非常に小さいですが、いつ着陸したのかを感じるために神経を研ぎ澄ませておく必要があります。
その他、F-15の離陸については、姿勢を保持し続けるのも非常に簡単ですし、着陸もF-4とは違ってラダーを使用する必要もありませんので非常に簡単です。
やはり、コンピュータ制御の行き届いたこの2機種は、簡単です。
難しい点
- トラブル時の対処要領
①トラブル時の対処要領
通常の離陸、着陸に関しては大変簡単です。
やはりと言いますか、コンピュータが離着陸、巡航等の通常の飛行操作においては、パイロットにワークロードをかけないように非常に上手く制御してくれています。
なので、感覚的に言えば、車輪を出して、速度と着陸する姿勢を確立したら、後は勝手に飛行機が離陸着陸してくれるイメージです。
ただ、他2機(F-4,F-15)に比べて難しいのは、トラブル対処です。
トラブル対処も含めた離着陸の難しさランキングにすると、ちょっと順番が変わるかもしれないけど、今回はそこは無しにしておきます。
ということで、今回のまとめです。
戦闘機の離着陸難しいランキング
- 第1位:F-4
- 第2位:F-15
- 第3位:F-2,F-35
という結果になりました。
今回も、どうもありがとうございました。

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